【ライブエンタメの新世代|業界構造編 #1】 ライブエンターテイメント業界の成長から読み解く“これから伸びる仕事”

エンターテイメント業界はいま「体験の時代」に入っている

エンターテイメント業界とは、映画、音楽、ゲーム、アニメ、イベントなど、人々に感動や興奮を届ける仕事の総称です。 コンテンツをつくるだけでなく、届け方や見せ方、体験の場づくりまで広がっています。

いま世界では、エンターテイメントは“観るもの”から“行きたい場所”へと進化しています。 日本でも、PokéPark KANTO、スーパー・ニンテンドー・ワールド、ジブリパーク、ワーナー ブラザース スタジオツアー東京(ハリーポッター)など、作品の世界に入り込める体験が次々と話題を集めています。 その熱は、ライブエンターテイメント業界にも広がっています。Kアリーナ横浜、LaLa arena TOKYO BAY、IGアリーナ、長崎スタジアムシティ、GLION ARENA KOBE、MUFGスタジアムなど、大型施設の整備も進み、ライブを楽しむ“場”そのものが進化しています。

いまのエンターテイメントは、コンテンツだけではなく、体験する場所ごとワクワクをつくる時代であり、 その最前線にあるのが、ライブエンターテイメント業界です。

なぜライブエンターテイメント業界が注目されているのか

理由はシンプルで、「人が集まる体験」の価値が、あらためて見直されているからです。 ぴあ総研によると、2024年のライブ・エンタテインメント市場規模は7,605億円(前年比ぴあ総研10.9%増)で過去最高を更新しました。 さらに、ACPC(一般社団法人コンサートプロモーターズ協会)の調査では総動員数は約5,900万人規模に達しています。 加えて、JASRAC(日本音楽著作権協会)の2024年度徴収額も約1,446億円で過去最高となり、配信サービスは勿論のこと、ライブなどのリアルな場での音楽利用の両方が伸びています。

つまり今は、デジタルかリアルかではなく、デジタルもリアルもどちらも伸びている状態です。 コロナ禍を経て、ライブエンターテイメント業界は「回復」ではなく、次の成長に向けた拡張フェーズに入っています。

ライブエンターテイメント業界への就職・転職は厳しい?

「ライブエンターテイメント業界への就職は難しそう」 「イベント関係の仕事は不安定そう」 そんな印象を持つ人は少なくありません。

たしかに、かつてはCDなどのパッケージ販売の縮小とともに、エンターテイメント業界の一部が“斜陽”のイメージで語られることもありました。 ただ、今の実態はもっと複雑です。業界全体をひとまとめにして「厳しい」と見るより、何が伸びていて、どこに仕事が生まれているのかで見るほうが、実態に近いと言えます。 実際、ライブエンターテイメント業界に限って見れば、市場は拡大し、仕事の種類も増え続けています。イベント関係の仕事やエンタメ業界の仕事も、従来のイメージ以上に多様化しています。

つまり今は、「厳しいかどうか」を判断するよりも、 どこに機会が生まれているのかを見極めるべきフェーズです。

ライブの現場は、AI時代でも残る仕事である AIやデジタルの進化によって、仕事の形は変わり続けています。 しかしライブエンターテイメント業界には、変わりにくい本質があります。

それは、「人がその場に集まり、同じ瞬間を共有する」という体験です。 ライブハウス運営や施設運営、会場オペレーションといった仕事は、 効率化されることはあっても、完全に代替されることはありません。

むしろテクノロジーが進むほど、 リアルな体験の価値はより強く求められるようになります。 ライブエンターテイメント業界は“これから伸びる仕事”がある場所

現在のライブエンターテイメント業界は、 「成長」と「未成熟」が同時に存在しています。 これはつまり、「まだ役割が固定されていない」ということです。 ライブハウス経営やアリーナ運営といった従来の仕事に加え、 データやグローバル視点を取り入れた新しい職種も増えています。

次に知りたいのは「誰がこの業界を支えているのか」

ライブエンターテイメント業界は、アーティストだけで成り立つものではありません。

・会場(ベニュー)運営 ・主催者・興行会社 ・制作会社 ・チケット事業者 ・配信・販促チーム など、多くのプレイヤーが関わっています。

次回は、ライブエンターテイメント業界を支える職種と役割を整理します。